この記事では、ビバップに必須なオーギュメントコード、 〇+、〇augと表記されたりもする Augmented chordの基本的な使い方を説明します。
目次
オーギュメントコードって何?
オーギュメントは、5度が半音上がったコードの意味になります。
メジャーコード(メジャーセブンスコード)、ドミナントセブンスコード、マイナーコードなどでよく使われます。
上の段が各オーギュメントコードで、下の段の通常のコードと見比べると5度が半音上がっているところに
注目しましょう。
このように5度が半音上がって#5となったコードをオーギュメントコードと呼び 〇+、〇aug、〇#5 と表記します。
書き方に特に決まりはなく、それぞれ馴染のあるものを使うので、人によって書き方がまちまちです。
これらのうち最もよく見かけるのが、メジャーコードのオーギュメント=#5、augです。
とりあえずはこのメジャーコードのオーギュメント=#5、aug のみ使えれば事足りますので、
今回はビバップで最も頻出するメジャーコードのトライアド=3和音で説明します。
オーギュメントコードのコードは主な使い方は2つ
①あまり出てこないクリシェの使い方と、②ビバップでは頻出するドミナントセブンスでの使い方です。
まず、あまり出てこないほうから説明して済ませてしまいましょう。
オーギュメントの使い方その① : あまり出てこない”クリシェ”の形で ⇐ 覚える必要なし!
五度の音が半音上がったり下がったりするクリシェと呼ばれる進行の時に、瞬間的にオーギュメントのコードが出てきます。
サザエさんのエンディングの間奏など、同じ(メジャー)コードが続くときによく見られます。
また、このクリシェは上図下段のようにマイナーコードでもしばしばみられ、ジャズスタンダードではI'll Remember Aprilの5~8小節目、日本では古畑任三郎的な刑事もので多用される進行です。
【C C+ C6 C+ C】
【ザエさん】
アドりブするときには、上記の内容は非常に稀にしか見かけませんので、全く気にする必要はありません。
次のその②のほうのみ覚えましょう!
重要 オーギュメントの使い方その② : ドミナントセブンスコードで勝手にオーギュメント
ドミナントセブンスコード、即ちC7のように〇7と表記されるコードでは、いつでも勝手オーギュメントにしても構いません。
より具体的に言うと、ツーファイブ Dm7- G7 - Cmaj7 の進行があったとします。
この場合、G7と書かれていてもビバップ/ハードバップの偉人達は、勝手にG+ またはG7 +を弾きます。
このように、まず
の公式を覚えましょう。
もちろん、〇+を弾かなければいけない、、ということではなく、それを弾くとオシャレでかっこいい、とご理解ください。
★上記楽譜では説明のためDm7 G7(#5) Cmaj7 としてありますが、このフレーズをDm7G7Cmaj7 上で弾きます。コードにG7と書いてあっても、勝手にG7#5を弾くわけです。
テンション感があってかっこいいですよね?
そして余談になりますが、以下の楽譜のようにもし#5ではなく、普通の5度を弾いてみたらどうでしょうか?
(悪い例)
なんだか面白くないサウンドですね?
コルトレーンの名演より、ドミナントコードを勝手にオーギュメントに変えて使う技を探す!
コルトレーン先生は、ハードバップ期にはこのオーギュメントのサウンドを多用します。
あの名演より実際の使用例を見ていきましょう。
★Bb表記にしています。
★聞きやすくするために速度を落としています。
★オーギュメントを弾いていなくても、弾いたつもり、あるいは弾きたかったであろう場所も印をつけていきます。
★わが国では、原版、作曲共に著作権は消失していますのでここで載せても違法にはならないという判断で載せています。
【楽譜】
MomentsNotice-Coltraneコルトレーン先生のツーファイブ ドミナントコードのオーギュメントフレーズ集
テナーサックスの巨匠であるコルトレーン先生もツーファイブでは、ドミナントコードでオーギュメントを多用してきます。
上記のMoment's Noticeの演奏に出てきたものをDm7G7Cmaj7に移調して、フレーズ集にしました。
コルトレーンのオーギュメントフレーズまとめ
このようにオーギュメントのサウンドはビバップ/ハードバップには必須のサウンドです。是非使いこなされてください!