1940年代のオットーリンクのパンフレットに学ぶその4
さて、リンクのマウスピースのパンフレットも中盤に差し掛かってきましたが、このページではフェイシングについて述べられています。
”Selecting Your Facing"
フェイシングというと、カーブだったり長さなどをイメージしますが、この時代ではオープニングの意味なのですね?
現在では開きは何番?と聞くことが多いと思いますが、この時代から生きていれば本当は”フェイシングは何番?”と聞くのが通なわけですね?
さて、この時代はラバーマウスピースは
アルトは4,4*、JAスペシャルがスタンダード
テナーは4*、5、JAスペシャルがスタンダード
と書かれています。JAスペシャルはジョーアラードスペシャルで、シャア専用ズゴックみたいなものです。
メタルマウスピースは
アルトは3*、4,4*がスタンダード
テナーは4,4*がスタンダード
と書かれています。
何故メタルのほうが小さいサイズが推奨されているかは書かれていません。
おそらくメタルのほうが明るい音がするので同じボリュームなり値明るさの音色なりを表現するには小さいサイズでも
大丈夫ということなのでしょう。
メタルのほうが小さいものが推奨されているということは一番売れ筋が多く作られているはずなので、メタルのほうが大きいサイズの生産量は少ないということでしょう。
なんとも残念ですね。
そして右側のページにはリフェイスサービスが書かれています。
まず、マウスピースを削る機会がラバーとメタル用の2台あって1万分の1インチまで精密に削れるらしいです。
何故そんなことが書いてあるかというと、どんなフェイシング(オープニング)でも作れる、、、という主張です。
それゆえ、もしマウスピースが気に入らなければオットーリンクはもちろん他のメーカーのマウスピースもリフェイスしてあげる、、とのことです。
おそらくメタルマウスピースのほうが硬くてコストがかかる、歯がすぐにダメになる?ためにやや高めですね。
この当時1セントでアメが1個買えたことを考えると、1セント10円とすると、2ドルは2000ほどでしょうか?
実際の価値はもう少し高いかもしれません?しかし、非常にリーズナブルな金額ですね。
ということは、オットーリンクによるリフェイス品もかなり出回っていたことでしょう。
ここで疑問に思うことは、フェイシングの長さやバッフルについては何も書かれていないので、オープニングだけ広げても上手くいかないのはどう処理していたのだろう???ということです。
もしこの時代に戻れるなら、3番くらいのトーンマスターを買って7番くらいに広げてもらいたいものですね???