最近出回っている、メイヤー、オットーリンク、セルマーなどのビンテージマウスピースの偽物について私の知っていることをまとめます。
fa-arrow-circle-right
目次
1.偽物マウスピースとは?
2.発見されたきっかけは?
3.特徴について
3.どんな種類があるの?
4.見分け方は?
5.偽物情報一覧
3.どんな種類があるの?
4.見分け方は?
5.偽物情報一覧
fa-arrow-circle-right偽物マウスピースとは?
遅くとも2018年ごろから海外のオークションで売られたはじめた精巧な偽物。
ラバーマウスピースのみの製造で、メタルなどはない。
オットーリンク、メイヤーなど主要な高額で取引される品目がかなり網羅されている。
サイズも多数取り揃え、バリエーションも豊富。
出品者は複数(10近い)アカウントを持ち、ギリシャやハンガリーブタベスト、スコットランド、イングランドあたりから出品しています。
写真だけで見分けることはまず不可能に近い!
fa-arrow-circle-right発見されたきっかけは?
発売されて1年くらいたった頃には、アメリカのサックスコミュニティーではすでになんだかおかしいと、ちらほら話題に上がりつつあったようです。
しかし、決定的な証拠、確信には至らず、偽物の情報が共有されるまではやや時間がかかりました。
そして、2019年年末、とある人が有名なリフェイサーのブライアンパウエルに真贋を依頼して決定的な証拠が見つかります。
ここで、ブライアンパウエル氏が偽物マウスピースを削ってみたところ、材質が異なることが判明します。
詳しくは上記ブログで説明されていますが、本物は茶色い削りかすが出るのに、偽物はレジン系(プラスチック)の白い粉が出たのです!!!
fa-arrow-circle-right特徴について
どうやら本物をスキャンして、3Dで再現している方法をとっているようです。この販売者は、偽造アンティークコインの製造も得意で、その技術を生かしてマウスピースのコピー品も製造しているようです。
3Dスキャンでコピーしているので
- 形は全く同じ
- 鑢の目まで精巧に再現
- フォントも本物と同じ
- フェイシングカーブなど、内部以外のデザインも全く同じ
となり、基本的には写真で見分けるのは非常に困難。
fa-arrow-circle-rightどんな種類があるの?
テナー用
- オットーリンクテナー Tone Edge (スラント)
- Tone Edge (レイトフロリダ)
- ランバーソンテナー 7J
アルト用
- ニューヨークメイヤーアルト
- メイヤーブラザーズアルト
- バンドレンブルージャンボジャバアルト
- オットーリンクアルト Tone Edge (スラント)
- セルマーソロイスト ショートシャンク
ソプラノ用
- ソプラノセルマーソロイスト
- ニューヨークメイヤーソプラノ
- オットーリンクソプラノ Tone Edge (スラント)
などです。
fa-arrow-circle-right見分け方は?
最も確実な方法は削って、茶色の粉ならホンモノ、白い色なら偽物、と判別するしかない
マウスピースのお尻のあまり影響のないところを、一番目の細かい紙やすりで少しだけ擦ってみましょう。
(詳しくはネフさんのブログをご覧ください)
マウスピースのお尻の作りの粗さで見る
ホンモノのマウスピースはお尻がきれいに仕上がっているのに対し、
偽物はくぼみ、傷、段がある。
下に穴、傷や段あり。
左に穴あり
これらの特徴は、2020年初頭にはずいぶん修正されているので今後見分けられなくなるでしょう。
マウスピース内部の形状が異なる
これは、オリジナルのマウスピースを持っている人は見比べればわかりますが、写真で見分けるのは不可でしょう。
マウスピースを作っている人でオリジナルの状態を知っている人であれば、本物を見ればそこで気づくため、信頼のある楽器屋さんであればこのようなものが店頭に並ぶことはないでしょう。
特に内部のつながりの部分などの仕上げは、初期のものは雑です。しかし、2020年3月には修正されているのが確認されます。
字体の色がやや異なる
マウスピースに書かれている字体の色は本物よりも鮮明で、数十年前のものにしては明るすぎる、はっきりしすぎるような印象です。マウスピースの種類にもよりますが偽物の色合いは一貫していますので、以下の写真と同じような見栄えであれば、怪しいといえるでしょう。
fa-arrow-circle-rightメイヤーブラザーズアルト
オットーリンクスラントアルト
★銀色っぽい、というか白すぎますね?
セルマーソロイストソプラノ
fa-arrow-circle-right偽物情報一覧
以下、それぞれの事例を紹介しています。