選定日時:2019 夏
選定対象:5本から
ここ数年、現行品モデルの中でジャズ用の楽器として確たる地位を築いたウッドストーンのテナー。その評判は、日本を飛び越えて海外でも知られる存在になりました。日本でも、いわゆる3大メーカーからジャズ用の楽器としてウッドストーンに乗り換える人が多く、私自身も数多くの選定を行ってきました。
行き過ぎじゃない?? って言われるけど、本当に近いんです。なので、大目に見てください。
目次
アンティークフィニッシュ(アンラッカーモデル)を選定
最もジャズ的なサウンドがするアンラッカーな楽器、ポイントは
- ハイがカットされ、ビンテージ的な枯れた暗い音がする
- バズがあり、弱く吹いた時には特に音がビンテージ的にぼける(丸くなる)
- ビンテージ的な反応の軽さがある
などです。
中期あたりのアメセルと聞き比べれば、聞き分けがつかないほど音色的には近いものを奏でることが可能です。
(たくさんの楽器を目の前に、楽しそうな私)
この時は2019年で、コロナの前なので、入荷のタイミング的によってたくさんの中から選定できることが多くありました。
そして、選んだ楽器がこちら、、
選定のポイント
楽器の反応
最も大きなポイントでありますが、特に重要なのは最低音の反応。最低音がpppで最も簡単に弾けるかどうか、そして、音が跳躍したときに音の立ち上がりが速いか、、、それらの難しいことが楽にできる楽器ほど、演奏者を助けてくれます。今回も、その意味では5本から選定しましたが、明確に順番がつけれるほど、大きな差が、それぞれの個体にはありました。
音量
良く鳴る楽器は、音量が鳴らないものと比べると1.3~1.5倍くらい違います。大きな音で吹くということよりも、演奏の幅が広がり、抑揚もつきやすく、同じボリュームも楽にリラックスして弾けるという利点があります。
均一性
上から下まで同じように吹いて、同じ音が出るかもチェックします。
ネックやねじは、1つに固定して、まず本体を選定。
ネックやねじ一つの個体差でも楽器の印象は大きく異なります。それゆえ、ネックとねじは1つに固定して、本体を選びます。そしてその上で、さらに最もいいねじとネックを選んで先今日の組み合わせにします。
もちろん、個体差の大きいねじも最もいいものを!
最高の楽器を最高の組みあわせとコンディションで手に入れる!
そうして、選定品の中の選定品を作り出し、もちろん調整も完璧で、最高の楽器を選ぶことができました。購入された方もその違いに、決して1人で買いに来ようとは思わなくなった、といっておられました。そのくらい選定したものには大きな機能的な”違い”を感じてもらえました!
以下の写真は後日、事務所にて。下のものが今回の選定品。上は別の時に選定したウッドストーンシルバーモデル。